ニュージーランドのギャンブル業界が直近の会計年度で堅調な業績を上げた。同国内務省によると、ギャンブル支出は12か月にわたって前年比17%の増加であったという。
ニュージーランドにはギャンブル業界が高く評価される要因が多数ある。最新のデータでは、ニュージーランド人のギャンブル支出は増加の傾向にあり、政府だけではなく経済にとってもより多くのお金が入ってくるということになる。
2020~2021年の会計年度でいうと、ニュージーランド内務省(以下DIA)によれば、ギャンブル支出は26億3000万NZドル(18億1000万米ドル)であった。これは、前年と比較して17%増、さらに過去5年では最も高い数字となった。
この記録的な数字に最も貢献したのは、エリアカジノには置いていないスロットマシンによるものだ。このセグメントはクラブやバーにおいてクラス4オペレーションと呼ばれるもので、23%増加し9億8700万NZドル(6億8053万ドル)に達した。
2番目に大きな伸びを記録したのはTABレーシングとスポーツベッティングセグメントで、スロットセグメントとの差はわずか1%、3億8500万NZドル(2億6545万ドル)であった。
増加するカジノギャンブルとロト
ニュージーランドの宝くじ「ロト」は6億9400万NZドル(4億7844万ドル)を集め、前年比10%増となった。
カジノセグメントも新型コロナウイルスによる同国カジノに対する制限やインバウンド観光の厳しい状況下であったにもかかわらず、全体的に11%の増加を示し、5億5900万NZドル(3億8531万ドル)であった。
Problem Gambling Foundation(ギャンブル依存症財団)のスポークスパーソンAndree Froude氏のようにこれらの数字を問題だとみなす人も中にはいる。ギャンブル支出の内訳平均は、18歳以上の成人全員がそれぞれギャンブルをするとして、年間662NZドル(456.78ドル)となる。ただ、これは新しい携帯やスタバのコーヒーを毎日買うのと同額の数字だ。
見直されるゲーミングマシン
DIAや政治家の多くがスロットマシンセグメントは見直されるべきだとしており、スロットマシンの存在が社会を脅かしているという懸念が高まっている。これは、概して「ギャンブル依存症」になる可能性のあるセグメントが人口のわずか1%しか占めないというデータがあるにもかかわらずだ。
それでも、政府にとってはスロットマシンを見直す時間や予算を確保するには十分である。DIAは有害とされるギャンブルの見直しを開始した。これにより、最終的には市場での縮小も考えられるだろう。
この見直しの一環として、政府はフィードバックを受け付けている。スロットマシンのパブリックコンサルテーションをローンチし、消費者がこの問題を検討できる機会を設けている。コンサルテーション期間は3月17日から4月28日まで。
出典元:Casino.org