警察庁は日本人プレイヤーをターゲットにしたオフショアカジノに対する国内初の捜査を発表した。現在オンラインギャンブルは国内で許可されていないが、各種iGamingサイトを見てみると合法的にプレイできると装っているものが多い。
警察庁は日本人プレイヤーをターゲットにしたオフショア賭博を捜査する予定だ。 国外にサーバーがあるiGamingサイトは合法だと思われていることが多い。このようなサイトは通常、プレイヤーを誤解させ、そのサイトは合法であるか、あるいは明確に違法とみなされていないかのどちらかであると書いてある。
また、合法性を装うために他国での認可を主張することもある。
日本ではギャンブルは制限されている
日本では宝くじ、競馬、競輪、オートバイレース、競艇に賭けることは合法である。それ以外のギャンブルは刑法185条により違法である。
2030年、大阪に国内初の陸上カジノがオープンすると状況は一変することになる。1兆800億円(81億ドル)の統合型リゾート(IR)は、一定の所得条件を満たし、入場料を支払う地元の人々に開放される。外国人は無料で入場できる。
しかし、リゾートを運営するMGM Resortsは地元の人々が利用者の大部分を占めるだろうと予想している。米国に本社を置く同社は、MGM大阪が年間2000万人を動員すると予測しており、内訳は600万人のインバウンド観光客と1400万人の日本人観光客だ。
政府は2021年に施行された2018年のIR整備法の一部として実はオンラインカジノの合法化を検討したらしい。
日本のオンラインギャンブルはコロナ禍で急増
警察庁によれば、コロナ禍で国内におけるオンラインギャンブルは特に若者の間で急増したという。2018年後半、デジタル分析会社のSimilarweb Ltd.は月間約70万件のアクセスを追跡した。この数字は2021年秋には月間約8300万アクセスに急増した。
ギャンブルが拡大するにつれ、社会的コストに対する懸念も高まっている。東京に拠点を置く「ギャンブル依存症を考える会」は、オンラインギャンブルに関連する電話相談が2019年から2023年の間に372%増加したと報告した。
合法的なギャンブルに関する相談もこの期間に増加しており、競艇に関する問い合わせは28.0%で22.7%増加した。競輪に関するものは全体の18.2%を占め、15.5%増加した。また、高利貸しから借りたり家族や勤め先から盗んだりするなど、ギャンブルをするための犯罪に関する相談が28.2%を占めた。
また、強迫性ギャンブラーが2023年に負った借金は平均855万円であることも明らかにした。
ギャンブル依存症を考える会は次のように警告している。
「ギャンブルへのハードルは下がっています。若いギャンブル依存症患者の数は今後ますます増加することが予想されます。」
ギャンブルへのアクセスは「野放しにはできない」
8月29日付の読売新聞の社説にはこう書かれている。
「オンラインカジノで多額の借金をするプレイヤーがいる。返済のため、詐欺などの犯罪を含む『闇のアルバイト』に応募する。オンラインカジノに自由にアクセスできる現状は深刻であり、放置できない。」
「ヨーロッパのように、違法なオンラインカジノへのアクセスを防ぐためにブロッキング措置を導入している国もある。日本もそのようなアプローチを導入することを検討すべきである。」
犯罪要素の根絶
一方、当局はオンラインカジノ運営者とその関係者の摘発のため取り締まりを行っている。
9月、東京都と愛知県、福岡県警は、オンラインカジノの支払いを助長した容疑で2人を逮捕した。このような容疑で逮捕されたのは初めてだった。警察は容疑者らが数百億円を送金し、約21億円の手数料を得たとみている。
2月には京都で違法オンラインギャンブルサイトを運営していた7人が逮捕された。当局はこのサイトが2011年に開設されて以来、23億円の入金を受け入れていたと推定している。例によってサイト運営者は合法的なエンターテインメントであるかのように装っていた。
大阪府警は6月、オンラインギャンブルを含む数々の違法行為から得た資金を処理したとされる大規模なマネーロンダリング組織の首謀者を摘発した。
警察庁の捜査は、規制と責任あるゲーミング政策に関する今後の議論に反映される。警察庁は声明で次のように述べた。
「早急に状況を把握するための基礎データを収集し、対策を打ち出す予定です。」
出典元:iGamingBusiness