カンボジア警察が、中国の犯罪組織に囚われていた44名ものインドネシア人を救出した。人質らは多数の違法ギャンブル企業で強制労働させられていたという。
The Khmer Timesによると、人質の解放に向け、カンボジア警察、プノンペンのインドネシア大使館の慎重でかつ緊密な連携により数日間交渉が続いていた。
記事の中で、44名のうち30名以上が「シアヌークビルからChrey Thumの他の町へ『家畜のように取引』されるというつらい経験を強いられた」と書かれている。
カンボジア、特にシアヌークビルという都市は、街が機能していないことで有名だ。ある意味ではメキシコのシウダードファレスと同じかそれよりも悪いくらいである。幸運なことに、彼らはそこから逃れることができた。
シアヌークビルはカンボジアの南海岸に沿って中国人投資家に人気がある。組織犯罪や違法ギャンブルが横行しており、Chrey Thumもベトナム国境に近い。
インドネシア人人質、ついに自由の身に
彼らは1日12時間労働を強いられ、詐欺のノルマに達成できなければ脅迫されるというのは日常茶飯事のことであったという。
「最低限のノルマに達成できなかった場合、生活は地獄になりました。組織を去るには、補償として3,000~5,000ドルを支払うのが条件だったのです。」
クリプトや外国為替、株など投資詐欺にあわせるために、彼らはTinderやWhatsAppで偽のプロフィールを使ったという。
汚職や癒着が犯罪抑止を困難に
汚職や警察権力が弱い場所では人身売買の取り締まりに対して地方警察の努力の実が結びにくいという分析がある。彼らには高い賃金の普通の仕事が約束されていたが、実際はもちろんそうではなかったのだ。
2019年12月、カンボジア政府はオンラインギャンブルを禁止した。これにより、多数の中国人がシアヌークビルを去った。そして新型コロナウイルスのパンデミックが起き、カンボジア国境が閉鎖された。
昨年9月Thomson Reuters Foundationは調査を行い、新型コロナウイルスの流行により、カンボジアに残らざるを得なかった観光客や外国人労働者が人身売買業者のターゲットとなり、中国人による詐欺組織などに加担させられていたことがわかった。
彼らのほとんどがアフリカやアジア出身で、TinderやWhatsAppに偽アカウントを作り、クリプトや外貨、株といった投資詐欺スキームへと引き込むよう強制されていたという。
2021年11月1日、カンボジアは観光客および商用目的の外国人の入国を許可した。それ以降、中国人や欧米人らの入国者数が増加している。犯罪数は低い水準のままであるにもかかわらず、犯罪報告件数は伸びている。
人質の疑い
最近、3人のカンボジア人が、犯罪集団によってオンラインギャンブルで強制的に働かされたと主張した。これはシアヌークビルで起こり得る強制労働について警鐘を鳴らしている。
ある中国人は警察にこう話している。人質となり、拷問され、2月にシアヌークビルから売られたという。
こういった主張にはいくつか疑問が挙がっている。カンボジア警察は中国大使館に、このケースに関する調査ではこれは全くのでたらめであったことが証明されたと伝えている。しかしながら、腐敗や汚職が日常茶飯事な場所であることを考えると、まだ結論は出ていない。
出典元:Casino.org