7月23日(火)に発表された北米のオンラインギャンブラー70万人以上を対象とした調査によると、回答者の96%がお金を失い、低所得のギャンブラーは高所得のギャンブラーよりもギャンブルへの支出が「無責任」であることが明らかになった。
カリフォルニア大学サンディエゴ校のランド経営大学院の研究者は、ギャンブルの習慣と、合法的なオンライン賭博が管轄区域と個人にどのような影響を与えるかを総合的に調査した。オンラインギャンブルが合法化された州は歳入が増加し、ギャンブル依存症対策により多くの資金を回すことができる。また、合法市場によって違法賭博を制限できるという。
しかし、消費者にとってはギャンブルは人生を変えられるかもしれない、お金を失う選択肢でもある。そしてオンラインカジノはオンラインスポーツベッティングよりも「無責任」な行動を引き起こすと研究者らは書いている。
「不利な面としては、アクセス・利用しやすくなったことで、ギャンブル依存症の割合が高くなる可能性がある。」
オンラインギャンブルの消費習慣のトラッキング
特に、カナダのオンラインギャンブラー25万人のサブセットのデータから、43%が推奨されている給与の1%以上をベッティングに費やしていることが明らかになった。さらに、5.3%が収入の10%以上、3.2%が15%以上をギャンブルに費やしているという。
調査は2019年から2023年までの5年に渡って行われ、消費者のクレジットカードによる購入を追跡することで潜在的なギャンブラーを特定した。この期間に、オンラインスポーツベッティング(OSB)のダウンロード数は600万から3300万に増加した。研究者らは、ギャンブル口座にお金を出し入れし、最初の取引が入金であった消費者を調査し、41のギャンブルサイトを追跡した。
この追跡方法によって彼らはギャンブラーが1か月または1年にいくら使ったかを特定することができたが、データは詳細ではない。デイリーファンタジー、デジタルスポーツベッティング、オンラインギャンブルのいずれかに入金額が使われたかを特定することはできなかった。さらに、ベッティングの頻度や「強度」を追跡することもできなかった。
また、収入と消費習慣以外の重要な人口統計学的情報も収集していない。調査対象となったオンラインギャンブラーは、「予想通り」平均的なアメリカ人よりも収入が多い。調査によると、アメリカの平均世帯収入は10万6,400ドルであるのに対し、オンラインギャンブラーの平均収入は13万96ドルである。
オンラインスポーツベッティングの取引習慣が明らかに
調査結果の中で以下のことが明らかになった。
– 平均的なベッターは21回の取引を行い、うち18回は入金であった。
– 平均入金額は1,375ドル
– 平均引き出し額は742ドル
– DraftKingsとFanDuelは入金額で米国最大のオペレーターである。BetMGM、BetRivers、TVGがトップ5を占めた。
– 2019年から23年の間に賭けられた金額は14倍に増加した。
– 調査期間中の課税収入は18倍に増加
– 研究者らはまた、全米ギャンブル依存症対策協議会(NCPG)のヘルプラインと疾病管理センター(CDC)の自殺データも調査した。オンラインギャンブルを合法化する州が増えるにつれ、ギャンブルホットラインへの問い合わせが増加するのは驚くべきことではないと研究者らは書いている。自殺率の急上昇は見られず、「どの時系列も、OSBの政策変更に対応するような異常な増加を示していない」と書いている。
– 調査によると、ホットラインへの電話は2021年から劇的に増加したようだ。この年、人口で米国第10位のミシガン州や、西海岸で最大の合法賭博州であるアリゾナ州など、5つの州がデジタルスポーツベッティングを開始した。2022年には、ニューヨークを含むさらに5州がオンラインベッティングを開始した。
出典元:iGamingBusiness