日本はIR計画を経済政策の一つとして進めているが、当面のところオンラインカジノについては依然違法のままである。
長崎と大阪は提出したIR計画申請書が政府の期待に応えるものであるか承認を待っている状況であるが、今後数か月以内に何かしらの答えが出るとされており、国内での競争もあまりないことは明らかである。
先週水曜の予算委員会で答弁した岸田文雄首相は、オンラインカジノは依然として違法で、厳しく取り締まる必要があると明言した。
日本で歓迎されないオンラインギャンブル
立憲民主党の山岸一生議員の質問に対して岸田首相は発言した。立憲民主党は日本のギャンブル合法化に長い間反対の姿勢を示しており、2019年と2020年にはIRを合法化する法律制定の阻止に努めたことがある。
国民生活センターのデータによると、オンラインカジノに関する問い合わせの件数が増加していることを山岸氏は指摘した。2014年には100件だった相談件数が、2020年には500件に増加したという。
また、日本にはオンラインカジノを違法に利用する人が約200万人もいることも述べた。約329万人が合法的な自転車レースである競輪に、506万人が競馬を利用しているという。
岸田首相は、政府はいかなる形態の違法ギャンブルも容認しないことを強調し、警察当局はすでにオンラインカジノの取り締まりを開始していると述べた。オンラインカジノオペレータらを摘発し、違法市場の取り締まりを続けていくとした。
山岸氏は潜在的なギャンブル依存症と闘う政府の能力に疑問を呈し、また、違法オンラインカジノの存在を、合法化されたギャンブルを適切に管理できない政府の例として挙げた。
同氏の質問に対し、岸田首相はIRについてカジノ以上のものであることに言及した。IRは「MICE(会議、インセンティブ、カンファレンス、展示場)および観光センター」にもなる予定だとした。アメリカのカジノ拠点であるラスベガスでさえも同様なセクターをターゲットにし変貌しつつあるという。違法オンラインカジノに関しては、警察当局の力を借りて活動を取り締まることを約束した。
猛スピードで突き進む
日本のIR計画を頓挫させるものは何もないようだ。ギャンブルに反対する政治活動も貴重な資源を無駄にしているように思える。代わりに、有識者らは業界が消費者保護を提供できるよう安全で透明性のある方法で運営されるよう注力すべきであるとしている。
およそ6つあったIR誘致候補地のうち、IR計画を最後まで推し進めることができたのは長崎と大阪のみである。今は計画申請書が政府から承認されるのを待っている状況で、無事に承認されれば今後5~6年以内には開業される予定だ。
大阪は政府の承認を得る前に、IRの住民投票を求める地元市民団体による反発に対処しなければいけない。ただ、今回の反対運動も簡単ではないだろう。前回の試みは失敗に終わり、今回も同じような結果に終わるとされている。
出典元:Casino.org