Asian Racing Federation(アジア競馬連盟、ARF)による新たなレポートでは、違法で無許可のギャンブルウェブサイトがまん延していることに焦点が当てられている。同連盟は61の管轄区域にある534のオンラインカジノ・スポーツベッティングのドメインを分析した結果、それぞれの地域でライセンス・認可を受けているのはわずか40%未満であることがわかった。
94ページにわたる今回のレポートによると、大多数が違法に運営され、ベイルートからブリスベンまで存在する「グレーマーケット」を利用しているという。調査対象の少なくとも262のウェブサイトは2019年から2021年の間に最も訪問されたギャンブルサイトであると考えられる。
このレポートではサイトが3つのカテゴリに分類されている。1つ目は、ライセンスを受けた管轄区域によって認可を受けた「ライセンスおよび認可を受けている」と見なされるもの。2つ目は管轄区域のライセンスを受けているが、管轄区域外にいるユーザー、つまり、よくあるケースで言うとギャンブルが違法とされる場所からアクセスされているといった、規制が不十分なものとして分類されるもの。3つ目は、ライセンスを全く受けていないものである。
また、管轄区域に関しては、フィリピン、キュラソー、マルタが他の地域では違法に運営されていると思われるドメインのおよそ3分の2を占めることがわかった。キュラソーが31%、マルタが18%、フィリピンが13%だ。フィリピンのウェブサイトに関する正確な数字は不明である。
レポートには次のように述べられている。
「フィリピンでライセンスを受けたオペレータはオンラインベッティングの大部分が違法、もしくは厳しく制限されているアジアのユーザーをターゲットにしています。アジアの違法ベッティングは市場の80%を占めると推定されているため、フィリピンで『認可を受けた』オペレータは世界の違法ベッティングの大部分を促進していることになります。」
また、「規制が不十分な」ウェブサイトへのトラフィックが67億8000万回に上ることもわかった。しかし、ユーザーとユニークビジターに関して言えば、調査期間中のある時点において97%の顧客が違法ギャンブルサイトにアクセスしたのに対し、認可済みサイトでは31%、規制が不十分なカテゴリでは28%となった。
ARFによると、地下銀行システムとしてのカジノジャンケットの利用が、アジアにおける違法ギャンブルの成長を促しているという。
「カジノとジャンケットは新型コロナウイルスの流行により深刻な影響を受けているため、顧客はオンラインベッティング・ギャンブルに移行した可能性が非常に高いです。ジャンケットはアジア全域において他の国へのカジノ投資だけでなくオンラインベッティング・ギャンブルへのさらなる投資などビジネスを多様化することで、物理的なカジノ事業から得られる収益の損失を補っています。」
出典元:Focus Gaming News Asia Pacific