FIFAワールドカップはアルゼンチンが優勝候補のフランスをPKで下し、華々しく幕を閉じた。全試合が終わったわけだが、違法な賭博行為はまだ行われている。
合法的なスポーツブックは今回のワールドカップで大盛り上がりした。決勝戦は昨年2月のスーパーボウルに次いで、今年2番目に人気のあるベッティングイベントとなった。
その結果、いくつかの州では記録的、あるいはそれに近い賭け金総額を記録した。例えばインディアナ州では先月4億5230万ドルを記録した。
合法ベッティングという選択肢が広がったにもかかわらず、違法スポーツブックが依然として蔓延っている。
マレーシア、違法賭博組織を取り締まる
ワールドカップ開催期間中、スペイン、香港、フィリピンの警察では違法賭博の検挙が行われた。違法賭博は全て路地裏や電気の通っていない建物で目立たないように行われていたわけではなかった。
インターネットの普及によりどこでも簡単にスポーツベッティングができるようになったが、これは諸刃の剣である。売上を伸ばすためにはデジタル痕跡やデジタル「指紋」も必要となってくる。マレーシア当局はその情報を駆使し、現在もワールドカップの違法賭博を取り締まっている。
The Sun Daily紙によると、11月19日から12月21日にかけて、ワールドカップの違法賭博に関わったとして690人が逮捕されたという。警察はこれら全てがブックメーカーかベッターであるとした。これまでのところ87人が罪を認め有罪判決を受け、残りは裁判を待っている状況である。
何がオンラインギャンブルで何がオンラインギャンブルでないかということに関してはマレーシアの法律は複雑ではあるが、一つはっきりしているのは、誰かが反ギャンブル法を犯していると当局が思えば、その行為は違法ということだ。
全国の都市で行われた家宅捜索で、警察は51万8,563リンギット(11万1,900ドル)の現金を押収した。また、オンライン口座の2230万リンギット(503万ドル)を凍結した。
今後さらに逮捕者が出る可能性もある。法医学専門家らが現在、捜査中に押収された74台のコンピュータ、47台のラップトップ、817台の携帯電話を精査している状況だ。
オンラインゲーミングへのさらなる監視の目
ワールドカップ期間中のベッティングで世界中の合法スポーツブックを通過した数十億ドルのうち、数え切れないものがまだたくさんある。アメリカでも依然として問題となっている違法スポーツベッティングプラットフォームの利用が多く存在するからだ。
現在、リアルタイムで合法オンラインスポーツベッティングが利用可能な州は30以上あり(ワシントンDCも含む)、オハイオ州のようにスーパーボウルに間に合うように解禁された州もある。しかし、様々な理由からほとんどのベッターにとっては規制されていないサイトがまだ好ましい選択肢となっている。
昨年12月、国連は、世界の違法賭博の取引高が約1兆7000億ドル規模だと発表した。アメリカゲーミング協会(American Gaming Association)が先月発表した報告書によると、国内では多くのベッターがまだこのセグメントに属しているという。
アメリカのベッティングセグメントでは約15%がオフショアのみを利用していると言われている。そのうち49%が、過去1年間に少なくとも1回、海外のブックを通じてベッティングしたとされている。結果として、合法的なベッティング人口全体の約40%(規制された物理的またはオンラインプラットフォームを利用できる人たち)が、規制されていない選択肢にまだ傾いていることになる。
その理由の一つは利便性であろう。これらのベッターはすでにアカウントと支払い方法を確立しているため今さら変更するのも煩わしかったり、現状に満足したりしていると思われる。
しかし、もう一つの理由は、政府の管理が今後強化されることを示唆している。オフショアスポーツブックを利用すれば税金の負担がゼロになる。勝ち金を政府に申告する義務がないので税金を納めなくてもよいわけだ。
オンラインカジノを含め普及率が高いということは、政府は間違いなく管理体制を強化する方法を模索することになる。これは最終的に、オーストラリアや他の国で見られるようなジオフェンシング機能の強化やIPブロックの試みとなる可能性があるだろう。
出典元:Casino.org