アメリカのカジノ運営企業Bally’sの会長Soo Kim氏が、日本のゲーミングライセンス獲得についてすぐに動き出す予定はないとした上で、日本進出の可能性について明らかにした。
3月30日の報道後すぐ、Kim氏はBally’sが日本IRへ参入する可能性があることを明らかにした。福岡市をゲーミングの拠点として検討しているという。日本政府が指定したカジノ計画提案書の受付期限4月28日を過ぎても追加の入札があると楽観視していることも加えた。
Inside Asian Gaming(以下IAG)とのインタビューで、Kim氏は、Bally’sが福岡を訪問したことをゲーミングの拠点として入札する兆候だと地元メディアが報道したことについて驚きを表した。
「私たちが福岡に来たのは今回が初めてで、プロセスがどこでどう行われるのか純粋に理解するためでした。弊社の意図や、最終的にどのプロジェクトを支援するのか、そしてそのプロジェクトにどう関わっていくのかということについてコミットメントはありません。」
Kim氏はIAGに語っている。
日本で6番目に大きい都市である福岡はこれまで、ゲーミング拠点として候補には挙がっていなかった。先月も福岡市長の高島宗一郎氏はそういったベンチャーには興味がないと語っていた。まして福岡は日本の最初のカジノライセンス3つのうちの1つに入札している長崎からそう遠くない。
日本に関心を示すBally’s
ロードアイランド州に拠点を置くBally’sが日本IRに39億4000万ドルを費やすと考えられているが、もしその価格もしくは近い価格帯でプロジェクトを進めていくとなると、同社にとってはこれまでではるかに高額な試みとなるだろう。
ただ、その価格、そしてそれが同社時価総額の2倍以上という事実により、コストを抑えるためにもおそらく日本でパートナーを求めることになる。これはCaesars EntertainmentやMGM Resorts Internationalなど競合企業の戦略と同じパターンだ。Kim氏はIAGにも同じように語っている。
「もし日本で素晴らしいパートナーに出会うことができれば、弊社のような企業からの国際的な専門知識を提供することができ、限りない可能性が生まれるといった興味深い状況になると思っています。」
Bally’sが懸念している当面の問題は、Kim氏が運営するヘッジファンドStandard Generalからの買収の申し入れだ。1月、同社はBally’sに対し1株38ドル、つまり20億ドル強で買収すると入札提案した。
Bally’sが当面落ち着くところ
Kim氏は、日本政府が長崎をIRの候補地から外し、別の候補を求めた場合にBally’sがすぐに方針転換できるよう若干の余地を残している。
日本IRに関心があるとIAGに認めた上で、長崎の提案が受け入れられず入札プロセスが再開した場合、近々同社が関与する「可能性はあります」と彼は付け加えた。
長崎カジノリゾート案のコスト見積りが上がっているが、それは入札が頼りないとか、提案が拒否されてしまうとか、そういった意味ではない。
出典元:Casino.org