9年以上かかったが、カリブ海に浮かぶ島、バミューダにカジノがオープンすることになった。 Bermuda Gaming Commission(BGC、バミューダ賭博管理委員会)が初のカジノライセンスを発行した。オープン時期についてはまだ未定。
本島の東側にあるSt. Regis Bermuda Resortがカジノ開設に向け準備に取りかかる予定。同ホテルは開業して1年半になるが、カジノオープンにはまだまだ多くのハードルが待ち受けている。
バミューダ当局のBritish Overseas Territory(BOT)はカジノの受け入れに関して消極的な姿勢をとっていたが、これ以上我慢できなかったのだろう。それでも、ある程度の懸念事項があるためにSt. Regisは徹底的な認可プロセスを踏むことになる。
サイコロを振る時が来た
カジノの潜在的な市場がどうなるか慎重に見守ってきたが、バミューダはついにカジノをオープンさせると決めたようだ。銀行も、マネーロンダリングなどの懸念からギャンブル業界との連携については消極的でこの措置に抵抗している。バミューダがタックスヘイブン(租税回避地)としての歴史があるにもかかわらずである。
だが、これは少なくとも一時的なことだ。バミューダはカジノをオープンさせる準備ができたようだ。
BGCによれば、カジノは「3段階プロセス」を経なければいけないという。また、規制の枠組みへの準拠を保証するために、他の諸要件に加えてコンプライアンス委員会や内部統制も持つ必要がある。
加えて、カジノ側が購入する設備機器はBGCに認可されたものでなければいけない。従業員に対しては、規制当局が認める義務的なトレーニングも実施される予定だ。
カジノがいつオープンするかは、St. Regisがいかに早く全ての準備を整えられるかにかかっている。BGCはカジノオープンに向けて今年の大部分の時間を費やして取り組んでいたために、6月までには何かしらのローンチがあると思われていたが、プロセスは予想以上に時間がかかっている。新事業の参入にはよくあるパターンだ。
当面、カジノ計画を立てているリゾートはSt. Regisだが、彼らだけではない。バミューダでは最も歴史があるHamilton Princessホテルもライセンスを希望していると明らかにした。
さらなる自治を期待するバミューダ
バミューダは他のBOTと同様、可能な限り自立していなければならない。バミューダの最大の特徴は、GDPの約85%を占める国際的な金融ハブとしての役割を担っていることだ。
もともとアメリカからの観光客が多いこともあり、その目標を定期的に達成している。パンデミック以前は毎年約50万人がバミューダを訪れていた。その約8割がアメリカからの観光客だったが、カナダ人やイギリス人も常連であった。
しかし、新型コロナウイルスが観光業界に深刻な打撃を与えた。観光業界が回復し始めたのは、2年間続いた減少の後、この夏からであった。Vance Campbell観光大臣によると、インバウンドはまだ2019年の56%程度にとどまっているという。
観光客の数はまだ減少しているとはいえ、彼らの支出額は増加している。Campbell氏によると、平均滞在期間は2019年よりも11%長く、平均支出額も500ドルほど多くなっているという。カジノが登場すれば、さらに改善される可能性がある。
出典元:Casino.org